薬膳栄養学の季節の献立

季節の献立

2019 冬

冬の洋風メニューと晩秋の二つのメニューです。
※分量は二人分で記載

冬の洋風メニュー

牡蠣豆乳グラタン

材料

  • 牡蠣
  • 4~6ヶ
  • 豆乳
  • 350cc
  • 米粉
  • 大匙2
  • バター
  • 10g
  • ほうれん草
  • 半束
  • 玉ねぎ
  • 半個
  • しめじ
  • 半房
  • チーズ
  • 20g
  • (細かく切ったもの 市販のとろけるチーズなど)
  • 塩こしょう
  • 少々

作り方

1
ほうれん草は、塩一つまみを入れた湯でさっと茹で、食べやすい長さに切っておく。
2
玉ねぎは薄切りにし、しめじは食べやすいようにほぐす。
3
牡蠣は水をしっかりふき取り、米粉(分量外)をまんべんなくまぶし、塩コショウをふって油を敷いたフライパンで両面をカリっと焼く。
4
フライパンにバターを溶かし、玉ねぎとしめじを入れてしんなりするまで炒める。
5
ボールに豆乳と米粉を入れ、泡だて器で良く混ぜる。
6
(4)のフライパンに(5)の豆乳と米粉を入れ、ヘラでゆっくりかき混ぜながら火を通す。
7
(6)にとろみがついてきたら、焼いた牡蠣を入れソースとなじませる。
8
さらにほうれん草を加え、なじませたら塩コショウで味を調える。
9
グラタン皿に入れ、上にチーズをかけ、オーブントースターで10分程焼く。

牛肉とセロリの具沢山スープ

材料

  • 牛薄切り肉
  • 80g
  • セロリ
  • 1/2本
  • 人参
  • 1/3本
  • パセリ
  • 適量
  • 塩こしょう
  • 少々
  • 鶏ガラ出汁orコンソメスープ
  • 500cc
  • 大匙1
  • バター 
  • 大匙1

作り方

1
セロリと人参、牛肉は千切りにし、パセリはみじん切りにする。
2
鍋にバターを入れ熱し、牛肉とセロリ、人参を軽く塩こしょうし、炒める。
3
牛肉に火が通ったら、鶏ガラ出汁と酒を入れ煮込む。
4
10分ほど煮込んであくをすくい、塩こしょうで味を調える。
5
パセリを飾りいただく。

温野菜サラダ《蒸し野菜》

材料

  • 2個
  • キャベツ
  • 1/8個
  • かぼちゃ
  • 1/8個
  • 人参
  • 1/2本
  • ブロッコリー
  • 1/2房

作り方

1
野菜を好きな大きさに切り、蒸す。
2
ゆで卵を作る。

温野菜サラダ《豆腐ディップ》

材料

  • 絹ごし豆腐
  • 50g
  • 生クリーム
  • 50g
  • 白味噌
  • 大匙2
  • すりおろしにんにく
  • 少々

作り方

1
絹ごし豆腐は、水切りしておく。にんにくは、すりおろす。
2
材料を泡だて器でしっかり混ぜる。
3
温野菜をにつけていただく。

温野菜サラダ
《MTCオイルでヘルシーマヨネーズ》

材料

  • MTCオイル
  • 80g
  • オリーブオイル
  • 100g
  • 卵黄
  • 2個分
  • 3グラム
  • 少々
  • マスタード
  • 小匙1(お好みで)

作り方

1
卵は常温に戻しておく。
2
卵黄を取り出し、混ぜる。
3
オリーブオイルを少量ずつ入れながら泡だて器で混ぜる。(必ず少量ずつ入れてください。)
4
良く混ぜて、とろみがしっかりできたら同じようにMTCオイルをゆっくり少量ずつ混ぜる。
5
酢を少しずつ加え、さらに混ぜる。
6
塩を一つまみ入れ混ぜる。
7
お好みで、マスタードやわさびなどを混ぜても良い。

栄養価

  • たんぱく質
  • 38.2g
  • 8.7㎎
  • 亜鉛
  • 19.0㎎
  • ビタミンB1
  • 0.54㎎
  • ビタミンB12
  • 20.7㎎
  • ビタミンC
  • 110㎎

コメント

冬の洋風のメニューです。

・牡蠣は冬が旬です。牡蠣の重量は、ほとんどが内臓のため非常に多くの栄養素が含まれています。
特に亜鉛は、他の食品に比べてトップクラスです。亜鉛が不足すると味覚障害や免疫力の低下、生殖機能の低下、神経伝達物質が作られにくくなりうつ症状につながる可能性など様々な不調が起こりやすくなります。
亜鉛は、動物性食品に多く含まれますので少量ずつでもよいので、日々積極的に動物性食品を食べるようにしましょう。
・牛肉にはL-カルニチンが多く含まれています。たんぱく源の中でも、羊の肉に次いで量が多いです。
L-カルニチンは、脂肪酸をミトコンドリアに運ぶ働きがあるので、脂質の代謝や、エネルギー産生に必要な物質です。
・MTCオイルとは、体脂肪に蓄積されにくくすぐにエネルギーになりやすい中鎖脂肪酸の油です。炭水化物を控えオイルでエネルギーを摂取することで血糖値の変動を抑え、ダイエット効果も期待できます。マヨネーズにしてストックしておくと日常生活に取り入れやすいです。MTCオイルがなかなか手に入らない場合は、オリーブオイルのみでも作ることができます。
・温野菜にすることで、たくさんの量の野菜を食べることができ、また、消化に良くなります。

薬膳コメント

中医学では「緑の野菜は血を造る」と言われています。ほうれん草は養血の働きがあり、鉄、ビタミンA・C(※)が豊富で、ビタミンCは鉄の吸収を助けるため造血に効果的です。
牡蠣は滋陰類に属し、栄養が豊富です。多種アミノ酸、タウリン、ビタミンA・B・B2・D・E、銅、亜鉛、酸化鉄、マグネシウムなどが含まれています。体の血液成分を補うため、滋陰養血作用があり、体の疲れや年齢的変化によるほてり、心悸、自汗などに効果的です。又、ボレイとして牡蠣の殻は漢方薬に使います。心神不安・不眠・ほてりなどに処方します。
チーズは(奶)酪(又は乳酪)と言い、薬膳にも用います。発酵食品でもあり、肺や肌を潤し、便秘にもよいとされています。
牛肉は陽性のタンパク質で温陽効果に優れています。その理由の一つに、L-カルニチンを豊富に含むので、ATP(エネルギー)産生を促しやすいと考えられます。
セロリは解毒作用、消化促進作用があります。独特の香りで精神も安定されます。苦手な方、又は代用として白菜の芯を細かく切って使用することも可能です。同様に消化を促し、胸中の熱を去る作用があります。

各種のビタミン(※)を充分に補えると同時に食物繊維をたっぷり摂取します。食物繊維は消化過程で短鎖脂肪酸となり、これは善玉の腸内細菌を増やし、活性させる腸内細菌のエサの役割をします。毎日少しずつでも摂ることで、冬の間に腸活をしっかり行いましょう。
生野菜は、見た目よりかさがひくく、実際の栄養価は低くなりがちで、体を冷やす傾向が強いため、冬は注意が必要です。

(※)ビタミンとは自分自身の体が分泌する酵素を充分に働かせるために必要な補酵素のこと。代謝経路によって必要なビタミンが異なる。

冬の和風メニュー

いかと里芋の煮物

材料

  • いか
  • 1杯
  • うずら卵
  • 6ヶ
  • 里芋
  • 300g
  • だし汁or水
  • 1カップ
  • 濃い口しょうゆ
  • 大匙1と1/2
  • みりん
  • 大匙2
  • 大匙1

作り方

1
いかは、足を抜いて軟骨を取り輪切りにする。
2
里芋は、皮をむいて水洗いし塩でもみ、もう一度水洗いする。食べやすい大きさに切り下茹でする。
3
うずら卵は茹でて、皮をむいておく。もしくはうずら卵の水煮を使う。
4
だし汁と調味料を煮立て、いか、里芋、うずら卵を入れ5分煮込む。
いかは、長く煮るとかたくなるため、サッと煮たら一度鍋から出し、他の食材に味がしみてきたころに再びもどす。

簡単サムゲタン

材料

  • 鶏手羽元
  • 8本
  • もち米
  • 大匙3
  • 長ネギ
  • 1/2本
  • 椎茸
  • 3ケ
  • 小松菜
  • 半束
  • 生姜
  • 少々
  • クコの実
  • お好みで
  • 大匙2
  • 小匙1
  • 800cc

作り方

1
手羽元は、切込みを入れる。
2
長ネギ、小松菜は4㎝程度のぶつ切りにする。椎茸は食べやすい大きさに切る。生姜は、スライスする。
3
全ての材料を鍋に入れ、30分以上煮込む。
4
できれば1時間以上煮込み、最後に塩(分量外)で味を調整する。

大豆粉のお好み焼き

材料

  • 大豆粉(または米粉)
  • 50g
  • 3個
  • 長芋
  • 60g
  • 豚肉
  • 80g
  • 60cc
  • 鰹粉
  • 大匙2
  • 桜エビ
  • 大匙1
  • キャベツ
  • 250g
  • ネギ
  • 30g
  • 油(オリーブオイル、米油、ラードなど)
  • 鰹節・青のり・ソース・マヨネーズ
  • 適量

作り方

1
キャベツはみじん切り、ネギは小口切り、山芋はすりおろす。
2
大豆粉、水、卵、山芋、鰹粉、桜エビをボールに入れて混ぜる。
3
キャベツとネギを加えてさらに混ぜる。
4
油を敷いたフライパンに生地半分流し入れ形を整える。3分程焼き、焼目を付ける。
5
豚肉をのせ、ひっくり返してふたをして弱火で5~10分焼く。
5
もう一枚も同じように焼く。お好みでソースなどをかけていただく。

栄養価

  • たんぱく質
  • 90.8g
  • 11.7㎎
  • 亜鉛
  • 8.4㎎
  • ビタミンB1
  • 0.86㎎
  • ビタミンB12
  • 13.7㎎
  • ビタミンC
  • 94㎎

コメント

冬の和風のメニューです。

・イカは、たんぱく質やビタミンB群、タウリンが多く含まれています。噛み応えがあり満足感があるのでダイエットにも最適です。よく噛んで食べましょう。イカは、煮すぎると固くなるのでさっと火を通すようにします。
・鶏の骨付き肉を煮込むことで、アミノ酸やミネラルが溶け出します。そのスープを飲むことによって胃腸に優しく栄養摂取をすることができるので、胃腸の弱い方や、子どもから高齢者の方にぜひ飲んでいただきたいです。サムゲタンは、間食や朝食にもおススメです。
・大豆粉は、大豆を粉にしたもので小麦粉の代わりに使用すると、炭水化物を控えることができます。スーパーで簡単に手に入ります。大豆粉が苦手な方は、小麦粉よりも米粉や片栗粉などを使用することで腸内環境にやさしいお好み焼きになります。
・お好み焼きの中に、鰹粉や桜エビを加えることで栄養価と風味のアップが期待できます。鰹粉にはたんぱく質やビタミンB群、鉄分、オメガ3など豊富な栄養素が含まれているので、ふりかけなどにして食卓に取り入れてみてください。また、卵の分量を普通のお好み焼きより多くすることでビタミンやミネラルをしっかり摂ることができます。
・市販のソースやドレッシング、ポン酢などは糖質が多いので使う量に気を付けてください。

薬膳コメント

イカは、補益養血類に属します。薬膳では肝血を助け、血を通ずとされ、無月経などにも用います。タウリンが多く含まれ、肝機能の強化も期待できます。
鶏肉は胃腸に対し補中益気の効果があります。高タンパク、低カロリーでコラーゲンも豊富です。
もち米は、もち米から作られる膠飴は薬として用いられるなど、胃腸の弱い人への補益の効果が高く、小健中湯や大建中湯などに含まれています。皮膚などにできもののできやすい人は避けましょう。
大豆は畑の肉と言われ、体に必要なタンパク源の一つです。利尿作用もあることから、タンパクを補いながら、むくみを解消します。

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