薬膳栄養学の季節の献立

季節の献立

2018 夏

お悩み別に3つのメニューを用意しました。
※分量は二人分で記載

むくみをとるメニュー(夏)

すずきと茄子のオイル蒸し

材料

  • すずき
  • 160g
  • 茄子
  • 1本
  • 青ネギ
  • お好みで
  • オリーブオイルorココナッツオイル
  • 大匙2
  • レモン汁
  • 小さじ2
  • 大匙2
  • 少々

作り方

1
すずきの切り身は、塩をしてしばらく冷蔵庫に入れておきます。
2
茄子は縦に薄切りにする。
3
フライパンにオイルを引き、茄子とスズキを焼く。焼目が入ったらお酒を振り入れ、ふたをして蒸し焼きにする。
4
中まで火が通ったら、お皿にだしレモンを絞りお好みでネギをちらす。

牛すじ根菜煮

材料

  • 牛すじ肉
  • 150g
  • レンコン
  • 100g
  • 人参
  • 1本
  • 鰹だし
  • 200ml
  • 醤油
  • 大匙2
  • みりん
  • 大匙2

作り方

1
牛すじ肉は、熱湯でさっと茹でる。
2
レンコン・人参、茹でたすじ肉は大きめの乱切りにする。
3
だしと調味料を入れ、すべての材料を入れコトコト煮込む。
(※圧力鍋で煮ても良い)

とうもろこしのスープ

材料

  • 殻付きエビ
  • 6尾
  • とうもろこし
  • 1/2本
  • パセリ
  • 10g
  • 人参
  • 1/2本
  • 乾燥わかめ
  • 1g
  • ごま油
  • 小さじ1
  • 320ml
  • 小さじ1/2

作り方

1
殻をむいて背ワタを取り、殻と身に分ける。
2
殻を油で炒めて水分をとばす。
3
殻を水と塩で30分~1時間煮込んでスープを作る。
4
作ったスープに、エビの中身ととうもろこし、人参を加えて煮込む。
※スープは、他のだしやコンソメなどでも良い。
5
エビと野菜に火が通ったら、パセリとわかめを加えてさっと煮込む。
6
火を止めて、ごま油を垂らし、味を調える。

低糖質ようかん

材料

  • さらしあん
  • 40g
  • 100g
  • ラカントs
  • 50g
  • くず粉
  • 5g
  • 粉寒天
  • 小さじ1
  • ひとつまみ

作り方

1
さらしあんに水とラカントSを少しずつ加え鍋で加熱し、最後に塩で味を調え、こしあんを作る。
2
寒天と水150㏄を火にかけて寒天を溶かし1分ほど沸騰させる。
3
火を止めて、作ったこしあんを加えてよく混ぜる。
4
もう一度沸騰させる。
5
沸騰したら火をとめ、型に流し込み、粗熱をとり冷やす。
6
冷やし固まったら、切り分けいただく。

栄養価

  • たんぱく質
  • 44g
  • 4.3㎎
  • ビタミンB1
  • 0.23㎎
  • ビタミンB12
  • 3.4㎎
  • ビタミンC
  • 26㎎

コメント

とうもろこし、小豆など浮腫みをとる漢方的食品がたくさん含まれたメニューです。

・すずき、牛すじ肉、小エビとたんぱく質を組み合わせることで身体に必要なたんぱく質の摂取量を増やします。
・血糖値のコントロールのため、米などの糖質を控えめにするとエネルギー不足になるので、ココナッツオイルなどのオイルを使用します。
・パセリやニンジンなど、色の濃い野菜はビタミンCやAが豊富です。
・天然の甘味料ラカントSは、カロリーがなく、血糖値をあげないのでどうしても甘いものを食べたいときにオススメです。
・寒天やわかめ、根菜は食物繊維がたっぷり含まれているのでお腹のケアをしてくれます。

※すずきがなかったら鰆やアジなどの魚でも代用可能です。

薬膳コメント

スズキは 味は甘・平、脾・肝・腎に良いとされています。補脾の性質を持つため、湿度の高い時期の補益に適しています。
皮にビタミンBが多いので皮も食べるようにしましょう。レモンの酸味や辛味のねぎを使い、肝と肺の動きを活発にし熱の発散を促します。
ストレスがたまりやすく熱が身体にこもりやすい方におススメです。

レンコンは生で食すと血液を浄化し潤いを生じます。加熱すると胃腸を丈夫にし、血を養い、下痢にも効果があると言われています。ビタミンCや食物繊維が豊富です。
食物繊維は腸内細菌のえさになります。しっかり摂って老廃物を排除し、腸から元気になりましょう。

汗をかく時には甘い物も少しは必要です。胃腸を整え直します。汗をかくのも胃腸が元気だからこそ。

スタミナメニュー(夏)

スタミナメニュー(夏)

レバーのからあげ

材料

  • 鶏レバー
  • 150g
  • 醤油
  • 大匙2
  • みりん
  • 大匙2
  • 生姜
  • 少々
  • ニンニク
  • 少々
  • 片栗粉
  • 適量
  • 揚げ油
  • 適量

作り方

1
鶏レバーは食べやすい大きさに切り、血の塊を除きます。
2
塩を多めに入れた湯(水1ℓに塩大匙3)で、切ったレバーを弱火で2分ほど茹でザルにあげて、さっと洗います。
3
洗ったレバーを小鍋に入れ、醤油とみりん、すりおろした生姜とニンニクを入れ、かぶるくらいの水を足します。
4
味をなじませるように煮込みます。
5
煮込んだレバーを一度冷まし、味をなじませます。
6
煮汁を切ったレバーに片栗粉をつけて170度の油で軽く揚げます。

タコとオクラのおろし和え

材料

  • 茹でタコ
  • 80g
  • オクラ
  • 8本
  • 人参
  • 1/2本
  • 大葉
  • 3枚
  • 大根
  • 適量
  • 醤油
  • お好みで

作り方

1
茹でタコは、食べやすい大きさに切ります。
2
オクラは塩で板ずりし、産毛をおとす。
3
オクラを塩を入れた熱湯で軽く茹でる。
4
茹でたオクラもたこと同じ大きさに刻む。
5
人参は、千切りにし、さっと茹でる。
6
大根おろしを作る。
7
大葉は、千切りにする。
8
タコ、オクラ、水を切った大根おろしを混ぜ、お好みで醤油をかけ、大葉を飾る。

パイナップルサラダ

材料

  • サバ水煮缶
  • 1缶
  • パイナップル
  • 30g
  • きゅうり
  • 1本
  • レタス
  • 5枚
  • ピーマン
  • 1個
  • トマト
  • 1個
  • 少々
  • レモン
  • 大匙1
  • えごま油
  • 大匙1

作り方

1
それぞれの野菜を洗って、好きな大きさに切る。
2
それぞれの野菜を洗って、好きな大きさに切る。
3
野菜を彩りよく飾り、真ん中にサバの水煮缶を乗せる。
4
パイナップルで周りを飾る。
5
塩、レモン、えごま油をかける。

卵とやまいもの味噌汁

材料

  • 1個
  • 山芋
  • 50g
  • ニラ
  • 10g
  • とろろ昆布
  • 1g
  • 味噌
  • 15g
  • だし
  • 320㏄

作り方

1
山芋は短冊切り、ニラは小口切りにする。
2
加熱しただしにニラ、山芋を入れさらに溶き卵を流す。
3
卵に火が通ったら火を止めて、味噌を溶かしとろろ昆布を浮かべる。

栄養価

  • たんぱく質
  • 41.3g
  • 10g
  • ビタミンB1
  • 0.55㎎
  • ビタミンB12
  • 39.3㎎
  • ビタミンC
  • 63㎎

コメント

夏にぴったりな、スタミナたっぷりのメニューです。
スタミナをつけるためには、たんぱく質や脂質、ビタミンB群の栄養素をとることが大切です。

・レバーには鉄やビタミンAを始めたくさんの栄養素が凝縮されていて、疲労回復にぴったりな食べるサプリメントと言えます。
・唐揚げにすることでレバーの苦手な方も食べやすくなります。
・レバーは赤身のお肉でもOKです。
・タコには、ビタミンEやビタミンB2、たんぱく質が多いので抗酸化作用があり、脂質や糖質の代謝も高まります。
・サバの水煮缶は、手軽にお魚を摂取できるのでオススメです。良質のたんぱく質や、抗炎症作用のあるオメガ3、免疫力を強くしてくれるビタミンDが多く含まれます。
・大根おろしやパイナップルなどに含まれる酵素を利用して代謝をよくしましょう。
・スタミナが欲しいときは薬膳では、熱を持つものを食べます。

薬膳コメント

タコは気血虚弱に良い食材です。疲れやすい、傷が治りにくいなどにも使います。寒・甘味・鹹味の性質をもち、肝・脾に良いとされています。
オクラは涼・辛・苦で肝・肺・脾に良く、胃腸代謝、消化の助けになります。通便作用も有ります。
パイナップルは微寒で微散。胃と膀胱に良いとされています。熱性の便秘症や消化不良に効果的です。
山芋は山薬といい、八味地黄丸などの漢方薬に含まれています。味は平・甘で肺・脾・腎に良いとされ、虚弱な方の脾両回復や下痢、慢性の咳にも用います。

酸味で発散しようメニュー(夏)

鱧の湯引き

材料

  • 120g
  • 梅肉
  • 小さじ1
  • みりん
  • 小さじ1
  • だし汁
  • 大匙1
  • 少々

作り方

1
鱧は2センチに切り、熱湯に塩を入れ、身がくるっとなるまで茹でます。
2
ザルにあげ、氷水で冷やします。時間があれば冷蔵庫でさらに冷やします。
3
梅肉にみりんとだし汁、塩少々をまぜたタレをつくり、冷やした鱧につけていただきます。

手羽のさっぱり煮

材料

  • 鶏手羽元
  • 6本
  • 茄子
  • 2本
  • 人参
  • 1本
  • だし
  • 300㏄
  • 醤油
  • 大匙2
  • 大匙2
  • 砂糖
  • 大匙2

作り方

1
だしに、調味料を入れ、煮立てる。
2
手羽元と食べやすく乱切りにした野菜を入れ、30分ほど煮込む。

冷ややっこ

材料

  • 豆腐
  • 150g
  • じゃこ
  • 10g
  • みょうが
  • 10g
  • 大葉
  • 3枚
  • 針生姜
  • 5g
  • 醤油
  • お好みで
  • あまに油
  • 小さじ1

作り方

1
豆腐を切り、じゃこ、みょうが、大葉、針生姜をたっぷりのせる。
2
醤油とあまに油をたらす。

アサリのスープ

材料

  • あさり身
  • 16g
  • きくらげ
  • 1g
  • ごぼう
  • 30g
  • 青梗菜
  • 30g
  • 鶏ガラスープか和風だし
  • 320㎖
  • 小さじ1/2
  • 胡椒
  • 少々
  • オリーブオイル
  • お好みで

作り方

1
あさりは、塩抜きをしておく。
2
きくらげは水でもどして、刻む。
3
ごぼう、青梗菜も食べやすい大きさに切る。
4
だしに塩を入れ、ごぼう、きくらげを煮込む。ごぼうがやわらかくなったら青梗菜も入れる。
5
砂抜きしたアサリを入れ口が開いたら火を止め塩こしょうで味を調える。
6
お好みでオリーブオイルを回しかける。

栄養価

  • たんぱく質
  • 49.5g
  • 8.9㎎
  • ビタミンB1
  • 0.27㎎
  • ビタミンB12
  • 15.4㎎
  • ビタミンC
  • 10㎎

コメント

・鱧・手羽元・豆腐・あさりでたんぱく質の種類を多くとり、たんぱく質不足を防ぎます。
・酸味を使うことで、消化を良くしたり塩分を控えたりさらに、すっぱいものに含まれるクエン酸で疲労回復の助けにもなります。
・あさりにはビタミンB12が多く含まれ貧血予防や疲れ予防になります。お手軽に、缶詰でも。
・手羽元などの骨付き肉や、あさりなどの貝類から出るスープはアミノ酸やミネラルが多く含まれ、お腹に負担なく栄養をとることができます。積極的にとりましょう。
・みょうがに、針生姜を組み合わせるひと手間で身体を冷やしすぎない工夫ができます。

薬膳コメント

夏は“心”の季節です。五行論という漢方的に考える生体の廻りを考えると、“心”を養うためには“肝”が充実していることが大切です。
しかし、春から夏にかけて身体も活発に働くため肝血も消耗しやすくなります。夏は肝・心は熱をこもらせやす、く、また代謝亢進が盛んになるため精熱することと補益することが大切です。うまく熱を逃す方法として発汗がありますが、胃腸が弱くてはうまく発汗ができなくなります。
“心”の熱をとるためには苦み、“肝”を伸びやかにするためには酸味が必要です。
暑い夏、冷たい物で身体を冷やしたくなりますが、そうめん・刺身・果物・冷や奴・ビールなどで胃を冷やし過ぎないようにメニューにある生姜、紫蘇、ミョウガなどの温性の薬味を使ったり、酸味の味付けにして夏の胃腸を整え夏ばてを予防しましょう。

     
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